
押した。指も離した。なのに、ボタンだけが戻ってこない。
ファミコンの四角ボタンと聞いて、画面より先に親指の感覚を思い出す人もいるのではないでしょうか。赤いコントローラに並んだ、四角いAとB。いま見慣れた丸いボタンとは、ちょっと違う顔つきです。
次を押したいのに
遊びに夢中になるほど、手元を見る余裕はなくなるもの。ところが、押したボタンが引っ込んだままだったら。画面を見たいのに、目線は親指の下へ。次の操作をしたいのに、まずボタンに帰ってきてもらわないといけません。
そんな場面に覚えがある方には、説明するまでもないもどかしさかもしれません。知らなかった方には、ゲームの難しさとは別のところにも小さな難所があった、と想像してもらえたら。
百万回のテスト、その先に子どもの手
この話は、懐かし話の中だけにあるものではありません。任天堂の公式インタビューで、開発者の上村雅之さんは、四角いボタンが戻らなくなる問題を振り返っています。発売前には百万回の打鍵テストをしていたものの、実際の遊ばれ方には想定しきれない部分があり、ボタンを丸くすることで改善したと語っています。[1]
別の上村さんへのインタビューでは、斜めに押し込む「にじり押し」が話題に。記事の注釈には、初期のゴムのボタンが、斜めからの力でコントローラにめり込む仕組みが説明されています。[2]
テストでは見えてこなかった、テレビの前で夢中になる手の動き。あの小さなボタンの話から、遊んでいる姿まで浮かんでくるようです。
丸いボタンだった人も、四角だった人も
ファミコンの記憶は、買ってもらった時期や、遊びに行った家によって少しずつ違います。四角ボタンを使ったことがなくても、見た覚えならある、という方もいるかもしれません。
名場面やクリアした日のことだけでなく、うまくいかなかった道具の感触まで残っている。そこが、昔の遊びの話のおもしろいところです。
あなたの記憶の中のAとBは、丸でしたか。四角でしたか。
今、あの四角ボタンを探すなら
当時と同じ形を手元に置きたいなら、まず出品写真のA・Bボタンを確認。丸ボタンの本体と、初期の四角ボタンの本体は分けて探したいところです。中古品は、ボタンの戻りや欠け、動作確認の記載も見比べましょう。メルカリやYahoo!オークション、Amazonなどで探す場合も、検索名だけで決めず、実物の写真と説明を確認してから。飾って眺めたいのか、遊びたいのかを決めると、選ぶときの目線も変わります。
参照資料
- 任天堂:社長が訊く『スーパーマリオ25周年』ファミコンとマリオ篇 3. トラブル続きだったファミコン黎明期
- Nintendo DREAM WEB:上村雅之さん 大いに語る。ファミリーコンピュータ インタビュー(後編)
公開資料をもとに構成した読み物です。室長自身の実体験を記したものではありません。商品名・商標は各権利者に帰属します。現在、この記事に広告・アフィリエイトリンクはありません。
